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ルルルルと備え付けの電話が鳴る。
気付けば一時間が経っていて
目配せをすると彼女はコクっと頷き
俺は電話口の店員に延長をお願いした。
話は尽きる事なく
一晩なんてあっという間に過ぎそうだった。
そういえばちょっと頷いただけで
延長OKという意図がなぜか伝わるのも
不思議な話で。
「もう帰りますか」という意図として
俺の目配せを捉えられる可能性も
十分あった訳だから。
そもそも俺は本来、
人を寄せ付けない。
今まで組んだパートナーとも
必要以上の会話はして来なかったし
言葉を交わすことがもう面倒くさくなる位
他人との間には高い壁が見えてしまう。
なのに彼女は
素のままで俺の中に入ってきた。
いや・・・その歌に魅せられた時点で
彼女を受け入れる間口が
開いてしまったのかもしれない。
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