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「はあ?」
今度こそ僕は、本気でわけが分からなくなった。この女クイズと言ったか?
「世界を救うクイズ、どうかしら」
「まあそりゃたしかに、ケッサクだとは思うが……」
「そうね、じゃあ決まり」
「いや待てよ。クイズってなんだよ?」
唯川はわざとらしく目を見開いて、口元に手を当てた。
「あなたクイズも知らないの? 今どき幼稚園生でも知ってる言葉よ? 常識よ? 当たり前のことと書いて常識よ?」
「いやクイズは知ってるさもちろん。だが、世界を救うクイズってのが分かんねーんだって。もう少し分かりやすく言ってくれ」
もしくはもう何も言わないでくれても良い。むしろそっちが良い。
「そうね、少しばかり説明が足りなかったわ。頭の足りないあなたにはね。あなたみたいな馬鹿にわたしの言葉が理解できないのは当たり前のことよね」
「……あーそうだよ常識だよ」
「地球を救うクイズー」
唯川は無表情のままにぱちぱちぱちーと独りで手を叩いた。うーん、着いていけないノリだ!
「これから三択クイズを出すわ。シンキングタイムは三日間。三日後の放課後にまたこの教室に集合、答え合わせを行うわ。正解なら世界は救われる、不正解なら世界は……滅亡よ」
僕はもう、何も言わなかった。
唯川は無表情なせいで言っていることが冗談かそうでないか分からない。世界が滅亡? そりゃ本気で言ってたらヤバいとは思うがね……。
「まあいい、出題してくれ。僕の願い、叶えてくれるんだろう?」
「ええ、言ったからにはね」
唯川は頷いた。まったくよく分からんやつだ。
「では、問題」
その瞬間! フィールド内の空気が突然緊張感に満ちたものへと変わり、僕と唯川の間にばちばちと火花が生まれた。この戦いは……遊びじゃない!
みたいなね。
僕としてはこれくらいのレベルのおふざけは容易に出来るくらいの心の持ちようだったということだ。そう、つまり唯川の方がよく分からなかった。
唯川の出したクイズ……。
その内容が、とんでもなく奇妙な、あるいは不気味なものだったのだ。
「四日後に、うちのクラスのある人物が自殺します。だーれだ?」
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