258人が本棚に入れています
本棚に追加
/605ページ
カタカタカタ
カチ
ゴーンゴーン
定時を知らせる時計の音が鳴った。
「…よし、終わったー!課長、私上がりますね。」
「ああ、いつもありがとう。小野田さんのおかげで助かったよ。」
「いえ、お先に失礼致します。」
コッコッコッ
ヒールの音が、今日も床に響き渡る。
『すごいよねー小野田さん。あの書類、もう全部打ち終えたんでしょ?』
『さすが、茉莉さん…。』
『尊敬するわ…。』
『さすが、ネクストヒュージョンのキャリアウーマン…。』
オフィスで、女子社員が今日も口々にあたしの話をしている。
あたしは、そんな彼女達の噂話に耳を傾けた。
(…当然。時間厳守があたしのモットーだもの。)
女子社員が毎度毎度あたしの噂をするから、
最近はあたしも少し鼻が高くなった。
最初のコメントを投稿しよう!