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そして、あたしはキャリーケースを持ち、リビングに戻った。
「…茉莉。」
そしてあたしは、その場で付けていたペアリングと家の鍵を将人の前に投げ捨てた。
「今までありがとう、さようなら!」
そう告げ、あたしは部屋を出た。
バタン
そしてキャリーケースを持ち、エレベーターのボタンを押した。
「…」
エレベーターに乗ったその瞬間、
「…っ…ひッ…く…」
涙がポロポロ出てきた。
…泣いちゃダメだ。
…泣いちゃダメだ。
いつもみたいに平気なフリしなきゃ…。
だけどあたしの涙は止まってくれなかった。
「やだ…何で…。」
止めようとすればするほど、どんどん涙は溢れ出てくる。
将人は全部理解してくれていたと思ってた。
どんなに忙しくても
会話があまりなくても
それでも
上手くいってるって思ってた。
でも違った。
そう思っていたのは、あたしだけだったんだ…。
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