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やはり僕は足が悪い、力が入らなくてうつ伏せでその場に崩れ落ちた。伸ばした手が微かにボールに届いた。
血相を変えて美郷が駆け寄ってくる。
「大丈夫!?」
抱き上げられる、今にも溢れ落ちそうな涙を浮かべながら僕を見つめて「大丈夫?」と、何度も声をかけてくれる。
泣かせたくない......
大好きな美郷を......
早く起き上がって「やーい、泣きそうになってんの?」って、からかってやりたい。
「わたしが、ボール投げたから......わたしのせいで、わたしのせいだー」
わぁっと、美郷の涙が溢れて出た。
全身に力が入らない、自分の体の弱さが情けない。僕は足だけでなく、体も弱いのか?
悔しい、悔しい......
流れ出した美郷の涙を拭ってあげたいのに......
手を上げることすらできない。
僕は美郷の笑った顔が好きなのに......
せめて安心させようと、精一杯笑ってみせる。
美郷の表情はそのまま変わらなかった。
あれ?
何で笑ってくれないの?
美郷、嫌だよ、僕は大丈夫だよ、笑ってよ――
意識が薄れてきた。
なんで? 美郷の泣き声も小さくなってきた。
「ごめんね......ごめん......」
泣きながら発した声はかすれていた、僕は、どうなるの? 死ぬの?
こんなに心優しい美郷を泣かせてしまって、僕はもう居なくなった方がいいんだよ、きっと。
謝るのはこっちだよ、ごめんね、美郷......
なんだか汗が大量に流れてる。息が苦しい。
そっか、僕は......
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