一.

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「時間は八時半だから、このままいけば優秀ね!」  立ち止まり、ポケットから取り出した時計を確認したディーテはそれをしまうと、再び歩き出した。  煉瓦造りの住宅や、倉庫、ガレージなどが立つ街並を眺めながら、右手側に見えてきた一際大きな銀色に光る建物に入っていった。  タイムカードを押し、地下にある更衣室へと向かう。 「おはようございますー!」 「あ、おはよう、ディーテちゃん」 「シェリー先輩っ! おはようございますっ」  元気に挨拶しながら入ると、すでに支度を済ませていた職場の先輩であるシェリーことシェルリーフがいて、挨拶を返してくれた。  髪型はいつも通りに右下でひとつに結い、さくらんぼ色の瞳と口紅が親しみやすさを感じさせる。
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