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一階の円卓には既に食事が用意されて居た。男の人曰くこの食事は全てロボットが作ったらしい。そしてそれらを口に運びながら、男は語り始めた。
「この子は浅間栞、私の娘だよ」
躊躇なくまっすぐな瞳でロボットを自分の娘だと言うこの男に少しだけ怖いと思ってしまったけれど、今は何となく受け入れておこうと、「はい」と気のない返事をした。老人は続けてこう話した。
この子の母は、41歳の時に高齢出産し、その際に他界したと。確かに、この人の年齢とコレの見た目が16歳くらいな所からすればとてもよく出来た物語だと思った。けれどこの子はどう見てもただの無機質な人に近い機器であるようにしか思えなかった。そう思いながらも時折話す言葉や仕草なんかには人の様な、気持ちを知っているような、感情さえあるような自然なたち振る舞いにも思えなくも、、、ない。確かに、お年寄りであればきっとだまされてしまうと思った。
それから、僕を引き取った経緯を目玉焼きを白く濁った髭に付けながら話してくれた。
それは何てことは無く、老い先の短い人生であるからと、この子に友達を作ってあげたいと思っていたいた所に、昔からの知人が母も父も失った男の子を助けてほしいと言ってきた為に、こうなったらしい。
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