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奏の部屋に入って行った矢野に父は声をかけた。
奏父「奏は学校ではどうだい?僕はご覧の通り、いないと生きていけないよ」
父はハハッと笑う。
矢野「病み上がりの息子に帰ってすぐ料理させるのはどうか…と思うが」
包丁を握る奏をチラッと見たがすぐそらした。
奏父「言うねぇ、気に入ったよ。確かにその通りだ!いゃぁ情けない。いつも頼ってばかりして親失格だよ~しかしさっちゃん以外にこんなかっこいい友達がいるなんて奏さすがだなぁ」
矢野「........?」
奏父「隣りの幼馴染のサツキちゃん、
2つ歳下だけど小さい頃からベッタリで」
その時、奏がひょこっと顔を出した。
奏「何の話?もう少しでできるから座っててもらってていいけど」
テーブルを見ると、短時間で大人3人分のパスタやポテトサラダ等が準備されていた。
奏「サラダは昨日の残りだけどごめんね」
矢野「お前その格好........」
へ?
いつも使ってるピンクの花柄のエプロンのまま立っていた自分の姿にハッとすると顔を真っ赤にし慌てて取ろうとするが焦ったあまり後ろの紐が絡まって上手くいかない。
奏父「かわいいだろう?似合うと思って思わず買ってしまったよ」
父はフォークを持ち助けることもなく豪快にアハハと声を上げる。
奏「こっこれは父さんがふざけて買ってきてっ!嫌だったんだけど使わないともったいないからっ」
奏は無理矢理でも脱ごうと体をよじる。
カシャッカシャッ......!
矢野が無表情のまま携帯をこっちに向けている。
奏「や......矢野くん.....何してるのかな?」
矢野「別に」
別にじゃないよーっっ!!
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