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サツキ「ねぇねぇカナ今日久々泊まってっていい?」
奏の耳元で囁いたサツキの言葉に矢野の箸が止まる。
奏「ごめんね、久々会えたのはすごく嬉しいけど明日用事があって朝早いから…。ほら、それにサツキまた大きくなってるみたいだからもう一緒には寝れないよ」
サツキ「えーーっ!!カナがいないと寝れないよっ!」
泣きつくように奏にしがみつく。
矢野「その図体でふざけたこと言うなっ!!」
矢野が怒鳴るような声を上げ、サラダの中のチキンにドスッとフォークを刺した。
シーンと皆の箸が止まり、一瞬静寂が訪れる。
サツキ「...........ウザい」
場の空気が淀んだが父だけはペースを乱さずご機嫌で食べていた。
奏「そっそういえばサツキ留学予定より短くない?」
矢野とサツキの張り詰めた空気に慌てて奏が話をそらす。
サツキ「だってカナと離れてんの耐えられなくてさ、前倒ししちゃった」
奏「..........留学前倒しできるもんなんだ」
サツキ「ほら、俺優秀だもん」
奏父「それにさっちゃん、奏のこと大好きだもんな~」
サツキ「NO!!LOVE!!」
ガタン!!
その時突然、矢野が勢い良く立ち上がった。
矢野「帰る」
奏「あっ」
奏はさっさと玄関に向かう矢野を慌てて追いかけた。
サツキはフンと頬杖をついてトマトをひたすら口に運んだ。
サツキ「何あいつ......ムカつく」
奏父「こらこら、さっちゃん。
矢野くんは奏の大事なお友達の1人だよ」
サツキ「矢野.....って言うのか」
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