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ジワッと目に涙を溜めた。 矢野「すぐメソメソする癖どうにかしろよ」 奏「う.....うんっ.......っごめっ」 零れる寸前の涙を袖で拭った。 僕ってこんなに泣き虫だったんだ……。 矢野「別にお前が悪いわけじゃないんだし」 小さく呟いた後背を向けたが奏はちゃんと聞こえていた。 奏「え.........?それはどうゆう.....」 奏が階段を降りきった瞬間、立ち止まった矢野が振り返り再びいつもの身長差に戻るとそっと手が頬に触れた。 えっ!!まっまさかっ!? 奏「んぅ....!」 断る間もなく唇が重なった。 こっこんなとこもし竹内くんに見られたらっ!! ちゅっちゅくっ...... 奏「んっ…やっ矢野くんっ…嫌だっ…!」 角度を変えた瞬間、小さく震えた声で抵抗した。 矢野「なんだ?アオに見られるのが怖いか?」 ドクン...... 大きい瞳で見上げるとニヤッと笑っていて奏はゾクッと背筋に悪寒がはしった。 まさか…遊んでる? 矢野「おい!アオ!」 大きいビクン!と体が震える。 えっ!?なんで呼ぶの!? やだっこんなとこ見られたくないっ!! 竹内「なんだよー?」 ドクン…!ドクン…!! 奏「あ…やっ…」 部屋の方向から声が聞こえて、矢野の腕の中で俯き過剰に反応する。 奏「やっやだっ…」 矢野は半ば無理矢理奏の手を引き、キッチンへ連れ込む。奥の冷蔵庫の側面の影になる場所に、奏を押し込むと再び唇を重ねた。 ちゅっちゅぷっ....... 奏「んっ.....ふっ」 恐怖のあまりカタカタ震えていた指で矢野の腕をギュッと強く握った。 竹内「斗真ー?」 ガチャっとキッチンの扉が開き、奏は驚きのあまり体を固くし目を見開いた。 竹内「あれ、今井もどこー?」 もちろん入口からはこの場所は見えない。 しかし冷蔵庫の前に来ればすぐに見つかる場所だ。 ドクン...ドクン... 見つかる…!見つかっちゃうよっ…! 矢野は気にする様子もなく、目を閉じて奏の口の中を蹂躙する。 奏「.......ふっ.........」 無意識に息も止めてしまいすごく苦しい。 でも音を立てたら気付かれるっ......! 竹内「なんだよ~二人共どこにいるー?」
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