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奏「ぶっ.....ぶきゃつ.....」
舌がまわらず慌てて口元を押さえた。
噛んだっ!!恥ずかしすぎるー!!!
そんな奏にプッと竹内は無邪気に笑った。
竹内「ハハッ!
部活?もう終わったよ。
今井の姿が見えたから来てみた」
わぁ~......
わぁ~~~
わぁ~~~~~~~~~!
ヤバいヤバい嬉しいっ!!
茹でタコの様に熱い顔を見られないように俯き眼鏡を触った。
竹内「今井さぁ~、
イヤな事はイヤだって言ったほうがいいよ」
奏「え?」
竹内「斗真がいろいろ押し付けてるだろ?」
あ...........
奏「そっ......それは..........」
竹内「それとも何か理由があるのか?」
ドキッ
奏「うぅん、別にっ」
もしかして心配してくれてる?
動揺を抑えきれず、何度も眼鏡を押して顔を隠す。
竹内「今井、これ取ったら?」
奏「わぁっ!」
いつの間にか目の前にいて眼鏡を額あたりまであげられ、反射的にバッと飛び退いた。
竹内は少し驚いたようだったがすぐにフッと困ったように笑う。
竹内「今井、眼鏡でいつも俯いてるから顔あんま分かんないんだよね。コンタクトにしないの?」
奏「あ....しようとしたんだけど、慣れなくて.....断念したっていうか…あの…」
心臓がうるさ過ぎてちゃんとしゃべれてるか不安になった。
竹内「もう一回試してみれば?」
奏「.............うん」
竹内が優しく笑いかける度に心臓が爆発しそうになって、でも焼き付けたくて目が離せない。
竹内「あ!雨止んだみたいだ」
いつの間にか所々に青い空が見え始め、雲の切れ間から光が差し込む。
竹内「じゃな!また明日」
竹内は光のように眩しさを纏ったまま走って部室に戻っていく。
雨が止むまで一緒にいてくれたんだ.....
ドクン....ドクン.....
どうしよう......やっぱり彼が好きだ。
制服の胸のあたりを掴み、酸欠になっていた肺に思いっきり空気を送り込んだ。
今日は最高の一日だったな…。
家に帰ると、今日の事を思い出しフゥッとため息をついてベッドに横になった。
目を瞑ると竹内の笑顔が焼き付いて、胸の奥が熱くなる。
眼鏡をはずして両手で持ち、眺めた。
コンタクトにしてみようかな......
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