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もう一度見ると頬杖ついて携帯をいじっている。
偶然かな?
それとも矢野くんの事だから僕が甘いの嫌いでも無理矢理食べさせる気だったのかも.....
奏「あの......矢野くん.......」
矢野「腹一杯食べたか?あとは箱入れるから家持って帰れ」
奏「お代は.....」
「いいのいいの!試しに作っただけだから」
財布を持って立ち上がった奏に矢野の姉が声をかける。
奏「えっ?でもこんなにっ.....」
矢野「いいって言うんだからいいんだろ」
姉はニコッと笑って頷きまた来てねと笑った。
奏「ごっごちそうさまです!」
カフェの店員全員に向かってペコッとお辞儀をした。
なんて贅沢なんだ........!
帰り道、隣に矢野がいることも忘れ、奏はお土産を持ってルンルンで歩いていた。
矢野「そんなに嬉しいか?」
奏「うんっ」
最近いい事尽くしで本当に幸せだ 。
矢野「また連れてきてやる」
奏「本当?!」
目を輝かせて矢野を見上げると少し矢野の目が泳いだ。
そういえば、お姉さんが竹内くんも来た事あるみたいな事言ってたなぁ~
奏「今度は竹内くんも誘って...」
矢野「あ゛?なんで」
な......なんでって言われると........。
矢野の眉間にシワが寄り、目が鋭くなった。
矢野「......やっぱお前もう連れてかねぇ」
奏「えっ……!」
なんでっ?怒ったの!?
ポカンとしていると矢野はチッと舌打ちした。
矢野「お前家あっちだろ、さっさと帰れ」
顔も見ずに背中を向けて歩いて行く。
やっやっぱり......完全に怒ってる......
なんでっ?僕何したんだっけ?
もしこの勢いで竹内くんにバラされでもしたらっ....!
奏は混乱しながら青い顔でその場に立ち尽くした。
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