プロローグ

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学校を囲む高い塀が見えてきた。 茶系の石組みで作られた建物郡は横に長く、敷地の中に緑の木々も植えられている。 「昨日、見て来た。家具も全部そろってたぞ」 「そか」 ユーキは今朝、この街に到着したので、まだ寮を確認してなかった。 一人部屋だとは聞いていたが。 「クラス分けも、今日張り出してあるらしいから……アレか」 門に入ってすぐ横に、掲示板がある。 道行く新入生がみなそこに群がり、自分の名前を探している。 (ユーキ・セリア、だよな……ユーキ……あった) クラスは四つあるらしく、自分の名前を一番下のクラスに見つける。 「レ……レイは?」 「一番、上だな」 残念だが、クラスは分かれてしまったようだ。 ちょっと、いやかなり残念だったが仕方ないだろう。 がっかりと肩を落とすユーキに、レイはくっくっと笑いをかみ殺す。 「笑うな」 「いや、だって分かりやすすぎて……そんなに楽しみだったのか?」 ユーキは、むうと口をつぐむ。 普通なら、彼と同じ学校に通うなんて、絶対有り得なかったのだ。 ちょっと楽しみに思ったって、バチは当たるまい。
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