一番の敵は

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 玄関で仁王立ちのケンさんに、俺も負けじと睨み返し、沈黙。何も言わねーんなら帰る、と視線を切って、ドアを開けた俺の襟首がものすごい力でグッと掴まれた。 「うぐっ」  一瞬首がしまって、な!? と振り向く。 「おじさん!?」  おじさんは、そのまま俺を外に押し出し、自分も外へ出て来た。玄関のドアを閉めて低い声で一言。 「少しお前に話しがある」  俺はない。  とは言えないので、黙って大人しくおじさんを見上げた。  おじさんは、俺よりも少し背が高い。俺がだいたい176、7なのに対して、おじさんは恐らく180強。5センチ近い差はでかい。結構な威圧感を持って、俯瞰された状態になる。  それに加え、凛々しく締まった眉の下の大きい目。彫りの深い端正な顔は、年を重ねても往時はどんだけいい男だったか窺え、いや、今でも充分いい男で、かなり迫力満点な訳だが。 「お前、ひよとどういう関係だ」 「どういうって……」
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