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前編
酔った勢いで高校時代からの友人に告白して、今日でちょうど一年目。彼はそんなこと覚えてなんていないだろうけど、まさか受け入れてもらえるなんて思わなかったから、一年も関係が持ったことは深山の中では奇跡に近い。
浮橋のことは大好きだ。心の底から愛している。彼の為なら大抵のことは乗り越えられるし、耐えられる。
(はず、だけど……)
スチールトレイの上に並べられたそれらに、嫌な汗が額に滲んだ。
医療用カテーテル。医療用消毒ジェル。水溶性ローション。プラスチックシリンジ。ダブルクリップ。小皿。
浮橋がせっせと消毒用エタノールで消毒し、抗菌シートで隅々まで拭ったエアーマットの上。深山は風呂に入った後、まな板の鯉のごとくそこで大人しく横になっている。
大学四年生、二十二歳。深山は人生初のアブノーマルプレイに挑もうとしていた。
ただし、何をされるのかは知らない。浮橋に尋ねても笑顔で躱されるだけだ。プレイルームに敷かれたエアーマットの上で、かれこれ二十分近くこのままでいる。
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