前編

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 (かぶり)を振って嫌々をしたところで、浮橋は微笑むだけだ。 「いや、嫌……嘘、うそ……っ、何これ……浮橋……っ」 「大丈夫だって。ほら、栓してるだろ?」 「でも……、でも……っ」 「気持ちいい、よな? 痛くないだろ?」  どこか心配そうな声に、訳も分からず頷く。  事実、尿道を擦られる感覚に強い快感が交じり始めていた。込み上げる吐水感に羞恥が増し、マットが淫らな音を立てる。  快感と羞恥と背徳感。ドロドロに溶けて広がるそれに、深山の体が理性を深く蝕んだ。  こんなのはおかしいと思うのに、圧倒的な熱が快感に色を変えて抗い様がない。 「え、や……な、に?」  確認したくても体に力が入らない。  けれどすぐに、何をされているのか理解をした。  専用のローションを手に塗った浮橋が、襞を割って指を入れてきたのだ。温かい指先が、殊更慎重に入ってくる。 「う、き……橋……っ?」 「確か、この辺……に」  襞を解すように、浅く抽挿していた浮橋の指先。折り曲げられた指の腹が、的確に性感帯を擦り始めた。始めは一本、すぐに二本。 「ンぁッ……や、ちょ、何……まっ……アァッ」  ビクンッ、と大きく深山の体が跳ねる。  傷をつけぬよう細心の注意を払いながら、浮橋が襞奥と尿道の奥を同時に愛撫し始めた。     
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