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その反動で一層強く指を締め付けてしまい、浮橋が濡れた耳に熱い吐息を吹きかけた。
それすら感じて、深山は自ら利き手を中央に添える。だが、それに気付いた浮橋に待ったをかけられた。
指を引き抜かれ、濡れたそれがヘソ下の下腹部を撫でてくる。
何度も、何度も、下腹部を撫でる浮橋の手指。なんとなく不埒な感じがして、吐く息が震えてしまいそうだった。
「……ミヤ」
オネダリに近い、甘えた声。
「奥に……、イイ?」
太ももに触れる熱い屹立が襞をなぞって今にも入ってきそうで、その熱さに睫毛が揺れる。深山の許しを待っているのか、無理に押し入って来ることはない。
覚悟を決めて、深山は正面を向いた。小さく顎を引くと、すかさず浮橋が膝を抱えてこちらを見下ろしてくる。
怖くないと言えば嘘になるが、それよりも今は浮橋と繋がりたい欲求の方が強かった。あんなに痛い思いをしたのに、気持ちの持ちようでこうも違うものなのか。
(途中で萎えないように、なるべく顔は隠しておかないと)
浮橋が興奮しているのは、状況と勢いが手伝っているはずだ。それがいつまでも続くとは思えないから、冷静になった時に気持ち悪いと思われないよう顔は腕か何かで隠しておいた方がいいと思った。
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