2574人が本棚に入れています
本棚に追加
/59ページ
あんなものを突っ込まれて、痛くないわけがない。異物感は容赦なく腹を圧迫し、何より押し開かれた襞がどこまで持つのか未知数だ。
前は散々な結果となり、体調を崩してしまった。あれの二の舞はごめんだ。浮橋とて望んではいないだろう。
浮橋を見る。額から汗を流し、それを腕で拭っている姿にドキリとした。別になんてことのない仕草だが、自分なんかのためにこうも我慢を強いていることに申し訳なさが込み上げてくる。
多分言えば怒るだろうから口にはしないが、深山は深呼吸をして彼の背をそっと撫でた。
言葉にするのは恥ずかしくて、睫毛も伏せがちになる。だが、伏せていても分かる浮橋の強い視線に、淫靡な音を立てて鼓動が鳴った。
「もう、いいのか……?」
ぎこちなく、だが確かに頷く。
浮橋が大きく息を吸い込んで、吐いた。膝を抱え直される。熱いほどの手のひらが腰に添えられて、腹を括った瞬間、浮橋が腰を揺らした。
中で凄まじい質量のものが動く、圧倒的な異物感。内臓を揺すられている感覚に眉根を寄せるが、さほど痛いわけではない。
「大丈夫か?」
「う、ん。痛くは、ない……」
息苦しさはあるが、事実だけを掻い摘んで口にする。すると安心したのか、浮橋が本格的に腰を使い始めた。
最初のコメントを投稿しよう!