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本当はすぐにでも絶頂を迎えてしまいそうなのに、もっと三田村の手の感触を知りたかった。和彦は自らの快感を犠牲にして、三田村の指を取り、根元を締め付けてもらう。和彦の意図を察したのか、三田村はきつい縛めを和彦のものに施しながらも、胸の突起は甘やかすように撫で、優しく摘まみ上げる。
和彦が洩らす息遣いで、窓ガラスが白く曇る。
「……苦しそうだ。もう楽になるか?」
三田村の問いかけに、和彦は首を横に振る。まだ、この時間を終わらせたくないと思ったのだ。
「でも、すぐにでもイきそうだ、先生……」
「嫌、だ。もう少し、このまま――」
「なら、やめるか?」
この問いかけにも首を横に振ると、耳元で三田村が短く笑った。
「わがままだな、先生」
胸元を撫でる三田村の手を握り締めたのは、そのわがままを許してほしいと願う気持ちの表れだ。三田村は、和彦の手をきつく握り返してくれる。
「……本当に、苦しそうだ」
呟いた三田村に、限界まで高ぶっているものの先端を指の腹でくすぐられる。
「あうっ」
呻き声を洩らして和彦は喉元を反らし上げ、咄嗟に窓ガラスに片手を突いていた。そしてまた三田村の指に、高ぶりの根元を締め付けられる。喉の奥から絞り出すような声で鳴いていた。
「くうっ……ん、んっ、んぅっ」
耳朶に温かなものが触れた。それが三田村の息遣いだと気づいたときには、柔らかな感触がしっかりと押し当てられる。唇を押し当てられたのだ。
「それ、いい……」
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