第4話(1)

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「俺が家に戻った理由を、甘くみないでよ。いつでもこうして大きな顔して、先生に会うためだよ」  和彦が息を呑むと、千尋がそっと唇を吸ってくる。片手で濡れた内腿を撫で上げられ、指先でくすぐられ、和彦は小さく抗議の声を上げた。 「プリンを食べさせてくれるんじゃないのか」 「プリンより先に、俺が先生を食べるってのは、どう?」  こういう発言を聞くと、あの父親にして、この息子だなと痛感させられる。  ため息をついた和彦は、千尋の頬を軽く撫でた。 「――……発情するサイクルが同じなのか、父子揃って」 「あのオヤジと同じってのは複雑だけど、先生が目の前にいて触らないのは勿体ない、と思ってるんだよ、俺は」  ニッと笑った千尋が身を屈め、今度は胸元を伝い落ちるしずくを舐め上げる。 「あっ」  数度胸元を舐めたあと、千尋の舌が突起をくすぐってくる。昼間、賢吾が愛撫してきたのとは反対側の突起だ。  示し合わせているのか、本能で嗅ぎ分けているのだろうかと考えているうちに、凝った突起を柔らかく吸い上げられ、和彦はビクリと体を震わせる。 「千、尋っ……」     
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