第5話(4)

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 熱く滾った三田村のものが、ぐっと内奥に押し込まれる。和彦は苦しさに小さく喘ぎながら、三田村の肩に額をすり寄せる。一方で、もどかしい手つきで三田村のワイシャツを脱がせていく。  思った通り、三田村も刺青を入れていた。ただ、賢吾とは違い、肩や腕、腿にかかるほど大きなものではなく、背一面にのみ彫られているものだ。  どんな刺青なのか早く見たいと思いながら、刺青を入れた人間特有の、少しざらついた肌をてのひらで撫でる。その感触に促されるように、三田村のものが力強く内奥に捩じ込まれた。 「ああっ、あっ、あっ、あうっ……」  三田村のものをきつく締め付けて、和彦は絶頂に達していた。迸らせた精によって下腹部が濡れるが、三田村は気づいていないらしく、ひたすら腰を突き上げてくる。和彦も、絶頂に達した余韻に浸る間もなく、内奥を強く擦り上げられる肉の愉悦に酔わされる。  単調な律動が、狂おしいほど気持ちいい。求めていた男の欲望を、自分の体のもっとも淫らな部分に突き立てられるたびに、官能が迸り出てくるようだ。  頭上のクッションを握り締めて乱れる和彦の首筋に、三田村の熱い愛撫が施される。和彦が掠れた声でせがむと、軽く噛み付かれた。その刺激に、内奥が物欲しげな収縮を繰り返す。     
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