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「先生こそ、十日も禁欲を通した男を労ってやろうという気はないのか? しかも、労う相手は俺一人じゃないぞ」
和彦の体からブランケットを剥ぎ取った賢吾が、ドアのほうを振り返る。つられて和彦もそちらを見ると、ドアのところに三田村が立っていた。
この状況には、嫌というほど覚えがあった。和彦と三田村との間で特別な交流があると賢吾に知られたとき、仕置きとばかりに、三田村の見ている前で抱かれた。挙げ句、賢吾に貫かれながら、三田村によって絶頂に導かれ、後始末までされたのだ。
顔を強張らせた和彦を見下ろしながら、賢吾が楽しそうに目を細める。この男の本性が現れているような、ゾクゾクするほど残酷な表情だ。
「そんな顔するな。先生と三田村の関係は、俺公認だ。ビクビクする必要はないだろ」
和彦の頬を撫でながら賢吾がそう囁き、柔らかく唇を吸い上げてくる。油断ならない手は、すでに和彦が着ているTシャツをたくし上げ、素肌を撫で回していた。
寝起きで鈍いはずの神経は、賢吾の手が動くたびに覚醒させられ、高められていく。強引にTシャツを脱がされて深く唇を塞がれる頃には、おそろしく肌が敏感になっていた。たったこれだけで、官能が刺激されたのだ。
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