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性急に追い上げられ、和彦がもう少しで絶頂に達しようとした瞬間、待っていたように賢吾がピタリと愛撫をやめ、顔を上げる。和彦は息を喘がせて賢吾を睨みつける。ときどき、賢吾はこういうことをする。求める以上の快感を与えてくれるかと思えば、求めているのに快感を与えるのをやめてしまうのだ。
残酷な大蛇の性質を持つ賢吾としては、後者のほうが楽しいらしい。
「俺のものを尻に突っ込まれながらイッちまう先生を見るのが好きなんだ。ああいうときの先生は、ゾクゾクするほど色っぽくて、いやらしい。これは、俺だけじゃなく、千尋や三田村も同意見だろうな」
反り返ったまま空しく震えるものを軽く撫でられて、和彦は顔を背ける。
「――……性質が悪い男ばかりだ……」
「その性質の悪い男たちに気持ちよくしてもらうのが、好きなんだろ。先生」
賢吾の言葉に、ベルトを緩めてファスナーを下ろす音が重なる。片足だけはしっかりと抱え上げられて胸に押し付けられると、興奮を物語るように熱く滾った賢吾のものが内奥の入り口に擦りつけられた。
三田村が見ている前での卑猥な行為に、和彦はうろたえるほどの羞恥を覚える。同時に、全身に甘美な感覚が駆け抜けていた。
「欲しがってるな。ひくついているのが丸見えだ」
笑いを含んだ声で賢吾に指摘されたが、言い返すこともできない。このまま口を噤んでいようかと和彦は思ったが、すぐに声を発することになる。賢吾が強引に押し入ってこようとしたのだ。
「いきなりは無理だっ……」
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