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唇を吸われると、言われる前に賢吾の口腔に舌を差し込む。内奥で賢吾のものが蠢き、奥深くを逞しいもので掻き回される。
和彦はビクビクと腰を震わせ、たまらず賢吾の背に爪を立てる。あの見事な大蛇の刺青に傷をつけるかもしれないと気遣う余裕もなく、賢吾も嫌がらなかった。それどころか、深く息を吐き出してこう言った。
「ゾクゾクするほど感じるな。痛いことが嫌いな先生が、俺に痛みを与えてくるってのは」
「……ヤクザの中でも、あんたは特に、性質が悪い」
「褒め言葉だ。ヤクザの俺にはな。――さあ、先生、熱いものをたっぷり中に出してやる」
両足を抱え上げられ、狙い澄ましたように内奥深くを強く突き上げられる。一度目で喉を反らして声を上げ、二度目で快感のあまり眩暈に襲われる。三度目で、注ぎ込まれる熱い精の感触に恍惚とした。
和彦は、賢吾にしがみついたまま息を喘がせる。すると、ここまでの手荒さとは打って変わった優しさで、髪を撫でられ、啄ばむようなキスを与えられた。
「――今回は、よくやった。執行部の中じゃ、あいつはもう助からないと思っている人間もいたが、それをお前は助けた」
突然の賢吾の言葉に、和彦は目を丸くする。そこで、ここまで抑えつけていた最低限の好奇心が表に出ていた。
「あれは、どういった人間なのか、聞いていいか?」
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