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三田村の激しい動きに翻弄される和彦を、賢吾は枕元に腰掛けて見下ろしていた。目が合うと、三田村の頭を抱き締めていた片方の手を取られ、手の甲に唇が押し当てられる。
「三田村も愛しい、うちの千尋も可愛い。何より、俺を大事にしなきゃいけない――。大変だな、先生」
賢吾の言葉に和彦は視線を伏せると、ワイシャツ越しに三田村の肩に噛み付く。即物的に交わることしか許されない今は、これが和彦にできる精一杯の三田村への愛撫だ。
それでも気持ちは伝わったらしく、三田村は熱い精を、和彦の内奥深くにたっぷり与えてくれた。
患者の診察を終えた和彦は、日用品を買い込み、夕食を済ませてから帰宅する。
組員と別れて部屋に一人となると、ダイニングのイスに腰掛けてほっと一息つく。先にシャワーを浴びてこようかと考えていて、親機のボタンが点滅していることに気づいた。誰かが留守電にメッセージを残したのだ。
和彦に用がある人間の大半は、携帯電話に直接連絡してくるため、珍しいこともあるものだと思ったが、肝心の携帯電話の番号を変更したばかりだ。しかもまだ、ごく限られた人間にしか、そのことを知らせていない。
慌てて留守電を再生すると、メッセージを吹き込んでいたのは中嶋だった。折り返し連絡が欲しいということだが、どことなく中嶋の声が緊張しているように感じ、和彦は気になる。
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