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第5話(1)
内奥深くに含まされた逞しい欲望が、ヌチュッと湿った音を立ててゆっくりと引き抜かれていく。苦しさと、剥き出しの性感帯を擦り上げられる快感が入り混じり、狂おしい肉の愉悦を生み出す。
「うあっ……、あっ、ああっ――」
「いい締まりだな、先生。そんなに、抜いてほしくないか?」
クッションに片頬を押し当てて声を上げる和彦に、背後から賢吾が話しかけてくる。いつもと変わらない、忌々しいほど魅力的なバリトンは、今は残酷で加虐的な響きを帯び、官能的でありながら、ひどく怖い。
そう、和彦は、今の賢吾がたまらなく怖かった。
一度は引き抜かれた賢吾のものが、蕩けて喘ぐ内奥をすぐにまたじっくりと犯し始める。太いものを呑み込まされて拒むこともできず、従順に締め付けて、擦り上げられ、捏ね回されていた。
快感による責め苦の成果を確かめるように、賢吾の片手が機械的に両足の間に差し込まれ、革紐できつく根元を縛り上げられた和彦のものを撫でてきた。一度も達することを許されず、熱くなったまま震えており、おそろしく敏感になっている。
「はっ……、賢吾、さん……、もう、取って……」
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