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第5話(2)
足を組み、籐椅子にしっかりと体を預けた和彦は、ふうっと息を吐き出して窓の外を眺める。あまり曜日を意識しない生活を送っているせいで、今日が何曜日なのかすっかり忘れていたが、平日にしては人出が多い。
「……今日は、日曜日なのか……」
思わず独り言を洩らすと、チョコレートラテを堪能していた千尋が応じた。
「そうなの?」
和彦も他人のことは言えないが、千尋の曜日感覚もかなりズレている。
「さあ。客が多いから、そう思った」
「ここ、オープンしてからずっと、こんな感じだよ――って、あっ、本当だ、日曜だ」
携帯電話を取り出して確認したらしく、千尋が声を上げる。だからどうした、という話題なのだが、これで会話は終わらなかった。
千尋はスプーンの先をペロリと舐めてから、見た目は文句なしの好青年ぶりを際立たせる笑みを浮かべる。
「いいよね、俺、日曜日に街を出歩くの好きなんだ」
「ぼくは……少し苦手だな。人が多すぎる」
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