第1話(1)

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第1話(1)

「あうっ……」  熱く濡れた舌にべろりと首筋を舐め上げられて、思わず和彦(かずひこ)は呻き声を洩らす。同時に背には、ゾクゾクするような疼きが駆け抜けた。  しなやかな体つきと荒々しい気性を持つ獣が、体の上で暴れているようだなと思いながら、和彦は乱れた息の下、小さく笑ってしまう。 「あっ」  ふいに、和彦の上で卑猥な律動を繰り返していた獣――ではなく、千尋(ちひろ)が声を上げた。和彦は、千尋の茶髪を撫でてから、問いかける。 「どうした?」 「今、先生の中、すげー締まったから、よすぎてイきかけた」  まじめな顔でそんなことを言った千尋の頬を、汗が伝い落ちている。和彦はてのひらで汗を拭ってやってから、短く言い放った。 「――バカ」 「バカだけど、セックスは上手いだろ、俺」  悪びれることなくヌケヌケとそう言った千尋が、緩く腰を揺らす。すでに充溢した硬さと熱さを持つ千尋のものが和彦の内奥深くで蠢き、簡単に官能を刺激する。 「うっ、あぁっ……」     
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