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第6話(3)
ウェイトマシンのコーナーに中嶋の姿を見つけた和彦は、さっそく歩み寄る。約束しているというほどではないが、互いに次の予定を聞いて、スポーツジムに通う曜日や時間帯を合わせるようになっていた。
そうやって顔を合わせては、情報交換を行っている――というわけではなく、まだ和彦のほうが、中嶋から一方的にあれこれと教えてもらうことが多い。
汗だくになってバーベルを持ち上げていた中嶋が、和彦に気づくなり、危うくバーベルを落としかける。照れ笑いを浮かべて無事にバーベルを置くと、汗を拭きながら和彦の側にやってきた。
「みっともないところを見られました」
「大げさだな」
笑みをこぼした和彦は、中嶋に促されるままレッグマシンに腰掛ける。
さっそくマシンを動かし始めると、中嶋に言われた。
「先週はすみませんでした。約束していたのに、仕事が抜けられなくて」
「もういいよ。気にしてないし、君が忙しいのはわかっているから。それに、秦さんが来てくれた」
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