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お日様みたいなお父様
いつも優しいお父様
ソラは幸せ
だってお父様がいるんだもの
お父様大好き
ソラは幸せ
お父様がが幸せで
ニコニコしてられるよう
ソラはいい子でいるんです
お父様が笑ってくれるよう
ソラはいい子でいるんです
大好きなお父様へ
ソルシアナより
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今でも覚えている。
あの時の事を。
あの陽だまりの様な記憶(できごと)を。
「アルカード……」
娘の事となると氷の仮面すら脱ぎ捨てる、偽氷(ぎひょう)のベネトロッサ。
「何か、見落としている」
あの子を唆したのは誰だ?
私の可愛い愛弟子を。
彼は頭の良い子だった。そして思慮深く、慢心せず、警戒心を怠らない優れた魔術師だった。
そんなあの子が、こんな暴挙に及ぶだろうか?
娘の為とはいえ、こんな愚かな事を。
「例えば、誰かが娘を利用したとしたら?」
最愛の娘。例えば彼女が得たという病。
それが仕組まれたものだったとしたら?
カーマインベック程の医師が諦める程の病。
ただのウイルスや毒の類ではないだろう。
だとしたらーーそれは、何故引き起こされた?
「……可能性として考えられるのは」
ウイルスではない、毒でもない、ましてや魔術ですらない。それでも人を蝕み、どんな薬も受け付けないのだとしたら、それはーー
「“神の雫”(ネクタル……)」
導き出した答えに、私は苦く唇を噛んだ。
神の雫ーーネクタル。
それは神が無限の生命を紡ぐ為に創り出された秘薬。神々の為に作られたそれは、人の身には余りに強烈で、1滴でも摂取すれば確実にその生命を奪う事の出来る劇薬だ。
だが、神の雫は人間界には存在しない。
精製出来るのもごく限られた神のみで、人には創り出す事は出来ないとされている。
そのネクタルを真似て作られたのがポーションやエリクサーという錬成薬物なのだが……
「錬成……か」
可能性としては薄いが皆無ではない。
調べる価値はありそうだ。
そこまで考え、私は深い溜息をついた。
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