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なんかめんどくさい事になった。
定期的に依頼主に報告しに行っていたが、何日か前から拠点にしていた森に人の気配を感じた。
その気配を見るに少人数だがあまり侮れない雰囲気で、これからは容易に報告できなさそうだと判断すると、万が一見つかった時のために身体を残し、意識だけ移動した。
当分の間連絡をしないと報告し、戻ってきたら嫌な予感は当たるもので知らん奴の腕の中にいた。
起きた事に気付いてなかったようなので、そのまま寝たふりをしていると、身体が浮く感覚がした。
どうやら、空間を移動したらしい。
以前師匠に教わったモノと同じモノを感じる。これが魔法か、と疑問に思っていたら、同じチカラのようなもので人が増える感覚。
そろそろ起きようと決め起きてみると、次々に気配を感じると同時に人が増える。
言葉を話しているようだが、なんのこっちゃ分からない。
依頼主のアイツとは違う言語なのか。そう思いながら、仲間の持っていた"翻訳のチカラ"を使う。
このチカラは一通りの言葉を聞く事で文字を解読するというもの。
そのためには多くの言葉を聞かなければならない。
初めに会った奴は、起こそうと話しかけていたらしいが、俺が起きてからは一度も話してない。
そのため、人が集まる時やっと言葉の収集を始めた。
しばらくして、現れてすぐに1人が此方に向かって走ってきた。俺を一瞥して、見つけた奴に話しかけていた。
まだ文字の収集は10%もいかないくらいか。それより低い可能性もある。
2人は話し終わったのか、駆け寄ってきた男は此方に向かって話しかけてきた。
だが、まだ言葉は分からんのだよ。すまんな。
渦をだいたい作り始めてからあと少しでひと月と言った所だが、人に見つかったので第二段階に移っても良さそうだ。
そうなると次は情報が欲しい。
目の前の冒険者にしては細めな男の、この姿の俺を見ている目からして純粋に心配してくれているらしい。
この目の前の男は、感じるモノからして俺を見つけた奴と同じくらい、オモシロそうだ。
さて、お前は誰だ?
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