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三月経つ頃にはレイは違和感なく喋れるようになっていた。
我が子の成長が素晴らしい。
少し背も伸びたか。
どちらにしろ可愛い。
時同じくして、国からの任務であった影の存在が見え始めた。
どうやら俺たちが警邏した場所、あの森から黒い靄がかかったと思うと、見たこともない魔物が現れたという。
見つけた者は、たまたま森の入り口に位置する場所にいたが、遠くにその靄を見つけ、魔物もどきの影を見て咄嗟に逃げてきたらしい。
それで、報告を受けた近くにあるギルドの隊員がその日のうちに確認しに行ったところ、靄は見えなかったが、見知らぬ、魔物に似た何かを見た。
その報告はすぐさまリクアチア国王、そして、クライドル国にも伝えられた。
すぐさま次の日には公式ギルドと自由ギルドと軍の上位ランク者で、調査・討伐を目指して森に行ったが、何故か魔物もどきも靄も見つける事が出来なかった。
その捜索から2日も経たずして、それぞれの国王、リクアチア国直属の軍の元帥、公式ギルド、自由ギルドのマスターなどが集まり、会議が開かれた。しかし、これは非公式の会談と言えるため、自由ギルドは大きなギルドのみの参加となった。
議題は、予言者の告げた影らしきモノが見つかったこと、次の日に見に行ったが見つからなかったこと。
今のところ、見つかったのはあの森のあの時だけで、以前いたはずの高ランクの魔物が見えなくなっており、靄も魔物もどきも引き続き捜索しているが見つかっていないとの事。
さらに、何故か小物と思われていた魔物が集まりつつあるという事。
話し合いの結果、現段階では、発見されたのが森だけという事から、森の周囲を警邏して、増えつつある小物が人里に立ち入らないようにする事、何か見られた場合すぐさま報告する事を決めるだけで終わった。
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