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そんなこんなで、マスターは俺を甘やかしすぎだと思う。
なんだかねぇ、騙して悪いことしてるなぁって気分になる。
依頼主のために動いているが、会った時からコイツ面白いなと思っていた事もあり、俺としてはマスターには害が及ばないようにするつもりだった。
ただ、ギルドマスターという立場上、何かあれば気づくだろうし、この人の性格上現場に飛んで行ってしまう。
喋れるようになった時の喜びようだったり、魔力を初めて出してみた時の心配そうな様子だったり、あの人は自分の事のように喜怒哀楽を表現するから面白いよなぁ。
何となくアレが親ってやつなのかなと思いながら、そうなると俺が最終的にしようとしてることはかなり親不孝だなと気づいた時はほんの少しの罪悪感。
でも、すぐに切り替えられた。…ま、いいか、で終わらせられるくらいには。
元々ここに来た理由を思い出せば、オモシロい奴は見つけられたと言える。
しかし、直接使うのは躊躇われるので、やはりある程度は遠ざける事にした。俺の出来る範囲で。
巻き込まれた時は仕方ない。人の運などその程度だ。
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