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「おーい、ここだ、レイ。夕飯持ってこいよー」
「はーい」
いつも座る窓際のテーブルの方からマスターの俺を呼ぶ声が聞こえた。
既に自分の夕飯分は取っていて、先に座って待っていたらしい。
今日の夕飯は、チキンカレーに決めて貰ってきたら、マスターの向かいに座って食べ始める。
「今日は依頼受けたんだってな。もうDでもいけるんじゃないか」
マスターは食べ終わったのか、てか、ニコニコと音が聞こえるのは気のせいか。
しかし、俺はまだ食べているんだ。少し待てやい。
「…………ん。まだEに上がったばっかりだから無理でしょ」
まったく…。親バカならぬマスターバカか。
いや、実際のところEやDより上でもいけるが、そんな目立つ事やらん。只でさえ珍しいんだ。
またご飯を食べ進めながら、考える。
まず、このギルドではあまり子供を見かけない。
冒険者を目指す子供くらいでそれでも俺と同じくらいの歳、つまり15.16くらい。それでもかなり少ない為、ほぼ見かけない。ま、進んで冒険者になりたいやつを止めはしないが、基本は大人同伴だな。
貧しい地域だとさらに幼いとも言える子供が依頼を受けに来るらしいが、この国はそうなる前に保護しているんだとか。
となると、俺はかなりギリギリだった。もう少し幼い形してたら保護されてたわけだからな。危ねぇ危ねぇ。動けねぇよ、そんなん。
以前は、あまりに俺を甘やかそうとしたり、危ないことをさせないようにするギルド隊員達が多すぎたのは、ま、こんな理由からだと判断できる。
あ、マスターのは別だな、あれは。
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