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「マスター、そろそろ試験受けなきゃ入れなくなるんだけど」
「あぁ、分かってる。もう少し待ってくれ」
レイが夕飯時に俺の執務室に来て、呼ぶついで、と言った感じで、毎回のように言ってくる。
俺はこんなに寂しいのに、レイは俺から離れて大丈夫なのか。
あー、結構強い子だからな。大丈夫そう。あ、悲しくなってきた。
「…マスターから離れるのが嫌な訳でも寂しくない訳でもないよ。でも、それじゃ俺成長できないから」
真剣な表情で話すレイ。
分かってる。分かってるんだ。
「あぁ、分かってる」
瞼を閉じれば一年間の思い出が過ぎていくようだ。
「……ん。先に食堂行って席取っとく」
そういうとレイは部屋から出て行く。
んーーー。そろそろ決めないとレイは今年から通えなくなる。あーー、しょーがない。しかたない。くそおー。
そう決めたら早いもので、サブマスターを呼んで話をしたら、既に書類の準備をしていた。はっやいな、オイ。
そこからはチャチャチャッと終わった。俺の書類整理の速さと交換しようか。
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