え、いいの。

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「好きって言って抱き締めて」 「はぁ!?」  図書室の角の席でガタガタと椅子を倒しながら、反射的に立ち上がった。 「ちょっと、図書室では静かにして」 「いや、いやいやいや、おまえっなに…!」 「司書さんすごく睨んでるから」  そう言われて貸出受付のほうを見ると、本当にめっちゃ睨んでた。カップルを殺す前にこちらが殺られてしまいそうだ。 「とりあえず座って」 「あ、ああ……」  とりあえず座った。いや座っていいのか? 抱き締めなくていいのか!? 「駅の改札前でそんなことを言って抱き合うカップルがいたのよ」 「……ああ、なるほど」  ある日の出来事か。ある日あるところに、ってやつか。言葉が足りなさすぎる。わざとやってんじゃないか? 「このままだと世界が終わると思ったの」 「それはさすがに飛躍しすぎじゃ?」 「そんなことない! だってあの時のあのカップル、完全に周りが見えてなかったの。投網でも投げたら二人まとめて捕まえられそうだったわ」 「投網持って近づいてくる奴がいたら流石に気付くだろ、とは思うけど、言いたいことはわかるな」 「でしょう。もし世界の全員そんな風になったとしたら、誰が宇宙人と戦うのよ」
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