To be continued.

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To be continued.

 部活が終わった後、すっかり日は暮れてしまっていた。肌寒い冬の季節では、この時間でもすでに陽は落ち夜の様相が露わになっている。高校生が出歩くには心配される暗さがもうそこまで訪れていた。速やかに下校しなければならないだろう。  後片付けを終え着替えも済ました。後は帰るのみだった。他の部活のメンバーらはみんな先に帰路に就いた。決して置いてけぼりにされた訳ではなく、単純に彼がトイレに行っていただけのことである。その間に帰ることは了承していた。わざわざ待ってもらう必要はない。  学校から出ようというその途中で、彼は憧れの少女に出逢った。否、出逢ってしまった。  中庭の噴水の傍らで腰を落ち着かせたその姿は、か弱さや儚さとは程遠く、美しく雅な気配で満たされている。外は、校内から僅かに漏れた灯りが照らすだけで闇を暴き出すには心許ない。それにも関わらず、彼は彼女の存在を一目で判断することができた。どれだけ離れていようと、どんな状況であろうと、彼女を見誤りはしない。 「どうされたんですか?」  幾ら憧れているとは言え、彼は彼女とはそれほど親しい間柄では、ない。これまでに顔を合わせたことが全くない訳ではないが、それは挨拶程度のもので内容のある会話らしいものをしたことは皆無と言っていい。なので自分から声を掛けるなんて自惚れたことなどできず、それが赦される道理もなく、そのまま素通りしてしまうのが常なのだが、今回は状況が違った。  学校の中とは言え、もう夜と表現しても差し支えないほど暗闇が押し寄せているので見過ごすことができなかった。友達や誰かと一緒にいるのならまだしも、生憎その彼女(ひと)は一人でそこにいた。 「え?」  急に声を掛けられ、しかもその声に聞き覚えのないものだったからだろう。彼女は大きな眼を更に見開かせてこちらを窺ってきた。
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