To be continued.

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「あ、急にごめんなさい。その、こんな時間なのにここで何してるんだろうって思いまして」  彼女を驚かせてしまったことに罪悪感と不安を感じた。邪な気持ちは一切なかったが、彼女にそのように解釈させたのかと思うと胸が締め付けられる。  だがそれは杞憂だった。彼女は彼を視認すると笑顔を溢した。 「ううん。急だったからちょっとびっくりしただけ。そうだよねえ、もうこんな時間だね」  まるで他人事のように、彼女の反応は穏やかだ。見た目は誰もが振り向く美しさを持っているのに、態度はどこか子供じみたそれで可愛らしい。いま彼の心に湧き起こる感情を、愛おしい、と言うのだろう。 「はい。出過ぎた真似かと思いますが、心配しちゃって、つい……」  声を掛けてしまった。恥ずかしさと照れ臭さから、後ろの言葉が霞んでいく。 「ふうん。心配してくれたんだ。君、優しいんだね」  彼女は彼の瞳を確かにその眼差しで捉え、相好を崩した。ただそれだけの所作で、彼の鼓動は木端微塵に粉砕しかねないほど跳ね上がった。 「いえそんな……」  余りの胸の躍動に言葉が上手く紡げなくなった。頬が吊り上がるのがわかる。昂揚がもはや抑えられない。 「友達を待ってるの。さっきまで一緒に居たんだけど、少しだけ用事があるみたいでそれが終わるまでここで待っているだけよ。心配してくれてありがとね」  彼の様子の変化に気にも留めることもなく、彼女は自分の事情を話してくれた。彼はそれを聞き届け、良かったと安堵すると共に、会話の終わりを感じ寂しい気分も同時に表れた。
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