To be continued.

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 目的のものを購入し、一目散に彼女の元へと戻った。ここで初めて気付いたのだが、部活の疲れなぞすでに吹っ飛んでしまっていた。いつもならくたくたになって家に帰り、制服を脱ぐことすら億劫になりながらベッドへ飛び込むのに、今夜に限ってはきちんと着替えられそうだ。 「お待たせしました」  彼女にホットのお茶を渡した。手に触れた温度は、温かいというよりは熱いに近い感覚だったが温(ぬる)いよりはマシだろう。目的は飲み易さではなく、暖かくなってもらうことなのだから。 「ありがとう」  彼女の眼の光が大きく輝いていた。きっと、本当に嬉しがっているに違いない。 「これくらい、礼には及びませんよ」 「そんなことないわ。わたし、こんなに誰かに親切にしてもらったの、生まれて初めてかも」  いままでとは違う神妙な調子だ。言葉尻が深みを増していた。彼が与える優しさに、何かしらの影響を及ぼしているのだろうか。彼女は何かを想うように、ゆっくりとそう告げた。 「大袈裟ですよ」 「本音よ。どうして、そんなに優しくしてくれるの?」  どきりとする質問だった。余りに唐突なことに、彼はしどろもどろになった。 「い、いや。それは」 「ひょっとして、わたしのことが好きなの?」  今度こそ、言葉が完全に消失してしまった。この問いは、その真意には、どういう意味があるというのだろう。アプローチが過ぎたのだろうか。確かにそうとも捉えられる行動をしているのは確かだ。それほど親しい間柄とはお世辞にも呼べないのに、いきなり心配をかけ、あまつさえ彼女の為にと飲み物も買い与えている。これが好意ではなくて何なのか。これらをすべて正しく説明できる言葉はもう――たった一つしかない。
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