To be continued.

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「……です」 「え?」 「好きです!」  彼は、意を決して、そう告げた。展開が余りにも早いのはわかっている。それは承知の上だ。だが残念ながら二人には時間が残されてはいない。もう一二月も迎えており、後少しの時が経てば彼女は卒業してしまうからだ。そうなれば、もう二度と逢えなくなるかもしれない。それに、そうでなくても次にいつ彼女と話す機会があるのかもわからない。ならばいっそ――、いまこの瞬間が千載一遇のチャンスなのだ。だから伝えたかった。自分の気持ちを、打ち明けたかった。聞いて欲しい。届いて欲しい。その一心で、彼は胸の内を吐露した。 「本気なの?」  さすがにこれには、彼女も狼狽えていた。恐らく笑って誤魔化す程度の冗談のつもりだったのだろうが、予想外の彼の真剣な告白にどのように受け取れば良いのかわからない様子だ。だがここで飄々と受け流さないのは、裏を返せば真剣に考えてくれている、ということでもあるだろう。 「はい。ずっと前から憧れていたんです」  彼は、彼女の眼を一瞥し、その眼差しに送るように力強く言葉を続ける。言ってしまった以上はもう後には引けない。それならばすべての気持ちをぶつける勢いだった。 「へえ、そうなんだ」考えるように、或いは彼の言葉と姿勢を吟味するように、彼女は暫し黙り込んだ。だが目線は逸らさず、彼女もまた彼を見据えている。その表情は真剣そのものだ。「ありがとう、すごく嬉しいわ」 「本当ですか」  彼女は小さく笑った。てっきり驚愕されるとも思ったが、そんな予想とは裏腹に彼女の態度は穏やかで優しかった。嫌という印象は少しも感じられない。 「わたし、面と向かって告白されたのってあんまりないからすごく嬉しい。君って結構男らしいのね」 「そ、それほどでも」  これは、好感触なのではないだろうか。彼女の反応は満更でもなさそうだった。これはもしや――
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