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「おい、大丈夫か? 寒いんだろ、早く車に乗れ」
鷲尾は、それが寒いせいだと思ったらしく、慌てたように声をかける。
「ちが、違うんだってばもおっ……」
否定はするものの、それ以上は強く言えず、茉莉花はおとなしく車に乗ることにした。
乗り込みながら、茉莉花が尋ねる。
「いつ食べるの?」
「一緒に食うか」
「どっ……どこで?」
「家で」
「家で!?」
たまたま鷲尾が休日だったバレンタインデー、はからずも菓子会社、そして宮地と成宮の策略にのせられた二人はその日を楽しんだという。
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