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「今ナギお姉ちゃんに料理とか裁縫とか教わってるんだ。今度ジンにも何か作ってあげるね」
「べ、別にお前の料理なんかに興味はないけど、どうしてもって言うなら食ってやるよ」
ボソボソと返事をすると、
「じゃあ、どうしても! 最近はナギお姉ちゃんからも褒められるようになってきたんだよ!」
とか
「そういえば最近の修行はどんな調子? まだ法術は使えないの?」
「ぼちぼちかな。法術の方はうんともすんとも」
「そっか。でっ、でもジンは身体強化すごいよね。私なんか練習したのに、全然ダメだった……」
「じゃっ、じゃあ今度教えてやるよ」
「本当!? 約束だからね。」
などとそんなことを話していると、気づけば夕暮れ時になっていた。
「もう夕方かー。残念だね。でもあんまり遅いとナギお姉ちゃんも心配するだろうし帰ろっか?」
「ああ」
ぼそりとジンは呟いて、かっこつけるようにそっぽを向いた。もちろん彼の両手はいつものようにポケットにしまわれている。そんな態度を取りながらも、彼もあっという間に時間がすぎてしまったことを少し残念に思っていた。
そうして二人は来た時と同じように腕を組みながら、もと来た道を歩いて帰った。ジンは寄り添ってくるミシェルの体温を感じ、真っ赤になっていたので、家の前にいたザックにからかわれたが、それを近くで見ていたナギがザックの頭にゲンコツを落としていた。
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