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第5話 真実
それから3ヶ月ほど時が過ぎた。この3ヶ月という数字をジンが意識しているのは、だいたいこれぐらいの期間に1度、うさぎの肉などの豪華な食材がテーブルに並ぶのだ。しかも大抵の場合、その前日に姉が妙に小綺麗な服を着て表に出ていくのである。
いつもそれが気になっていたが、ナギにははぐらかされていた。だがその日ジンは、姉が何をしているのかを確認しようとふと思い立ち、スラムから出て行くナギを尾行することにした。彼女がスラムに似つかわしくない綺麗な服を着て、どうやらなんらかの方法でお金を稼いでいるのだろうとジンは考えていた。というのもよく考えると、ザックたちも食料を集めてはくるが、5人分の食事を毎日少量ながらも準備するなど、このスラムではありえないはずであったからだ。
もちろん稀に表通りの人が、噂を聞いて姉に治癒を依頼してくることもあり、金銭を得ることがあったが、たいていの場合そういった人たちは、神殿が経営している、治癒院にも行くことができないほど貧しい人たちなので、その報酬も微々たるものでしかない。うさぎを買えばそれだけでお金が尽きてしまうだろう。
つまり他に何か仕事をしているのだろう。それなら自分もついていけば、何か手伝えるかもしれない。邪魔になるなら帰ればいいだけだ。しかし身綺麗な格好で外に出るのは数ヶ月に一回のことなので、よっぽど稼げる仕事でなければ普段の食事の充実の説明になるとはいえなかった。
とりあえずその疑問をザックとレイに話したが、ザックなどはいい餌場があるんだろうと気楽に考えており、レイは何かを知っているようだったが、それはジンがナギから直接聞くことだと言って教えてもらえなかった。どうやらレイも同じ疑問を持って以前ナギからその理由を聞いていたらしい。
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