女の白い肌。男はゴクリと喉を鳴らす。

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・・・・時は、1時間前に巻き戻る。 俺は大学生で、コンビニのバイトをしている。 今日もバイトを終えて、家に帰り着いたのは0時前。 世の中はバレンタイン。 俺は自分宛でないバレンタインのチョコレートを 沢山の女性に売って、義理チョコも誰にも貰えない まま帰宅した。 疲れた…と、もらってきたお弁当をレンジで 温めている所にチャイムが鳴ったのだ。 深夜。 無視しようかとも思っていたが、インターホンの 液晶に映ったのは艶やかな美女だった。 ついインターホンを取ってしまい、女が俺の バイト先の常連で、チョコを渡したくて、 でも渡せず、ついついここまでついてきて しまったのだと言う。 「ストーカー見たいですよね!すみません!  帰ります!」 そう言う女の言葉に、ついオートロックの解鍵 ボタンを押してしまったのだ。 そして、玄関がノックされ、扉を開けて部屋に 招き入れたのだった。 真っ赤なロングコートを着込んだ女。 派手だが、美しい彼女に映えてよく似合う。 女が俺に、綺麗にラッピングした箱を渡す。 緊張でドキドキしながら受け取った。 (チョコレートもらうなんて、お袋以外初めてだ…) 「…今すぐ開けて。」 そう、女に促され、ラッピングを解くと…。 中にはベッタベタな赤と青の配線が目立つ爆弾と ペンチが入っていた。 驚いて顔をあげると、女は赤いロングコートを脱ぎ 捨て、真っ裸で部屋の出口の前に立ちはだかって いたのである。
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