女の白い肌。男はゴクリと喉を鳴らす。

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…そして今に至る。 女は艶やかに微笑みながら言う。 「これは愛の試練なの。早く乗り越えて!  そして早く二人でまぐあいましょう!」 …俺はそれを拒絶し、頭おかしいんじゃないかとか 喚いた気がする。 すると、微笑んでいた彼女の顔からスッと表情が 無くなる。 「私を…拒むの?」 俺を凝視する女の瞳に、じわじわと狂気が浮かんで くるのを見た。 女は無表情のまま、言う。 「もし私を拒むならば…その時は二人あの世で  一緒になりましょう。」 女は、床に脱ぎ捨てた自分のコートをまさぐると、 目当ての物を掴み引き抜く。 その手には鋭い刺身包丁。 俺は、悟る。 爆弾を止められなかったら死! 爆弾を止めても彼女を拒めば死! 受け入れる以外の選択肢がない!! …でも彼女を受け入れても何だかんだ結局死ぬ 気がするんだが!! 脂汗をかく俺を横目に、彼女は涼しい顔で 刺身包丁を持った手をぷらぷらさせ、もう片方の 手にはいつのまにか棒つきチョコを持ってモグモグ 美味しそうに食べている。 (ちょっと待て、素っ裸なのにどっから出した!?  少なくともコートから出した姿は見てないぞ!?) そして…俺は覚悟を決める。 切るべきは赤か青か。
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