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交換日記(二月十六日・翼)
僕も国語の時間に彼女と目が合ったらすぐに逸らしてしまうけれど……だけれども、決して邪魔なんかではない。
それは、胸が高鳴って、顔が熱くなって、だけれども、とても嬉しくて……この感情に名前をつけるのが、恥ずかしくて仕方がないから。
本当なら、僕の方から話しかけて手を引いていきたいのだけれど……僕も臆病者で、そんな勇気がない。
だから、あと一ヶ月。僕がこの高校を卒業してから、改めて、僕の方から告白して。ずっと一緒に、彼女と小説を書いていきたいと思っている。
そして、この交換日記……小説と呼べる代物ではないかも知れないけれど。この最初の作品に、僕は『臆病者の交換日記』という名前をつけたい。
そして、臆病者同士のバレンタインから始まったこの作品は、これから二人で産み出す作品の原点にしたい……
だからこれからも、僕が卒業してからもずっと。
交換日記でもいい、ドキドキハラハラする小説でも、悲しくて切なくなるような小説でもいい。
どうかずっと、僕と一緒に小説を書いて下さい。
星城 翼
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