青空の先に

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「はじめは復讐してやるとかつって近づいたけど、つるんでいるうち千瑛に惹かれてることに気づいた。好きだ、俺を嫌わないでくれ」 「嫌うわけがない。ぼくの気持ちは変わらない、拓海のことが好き。けど母さんは──」 「待った。もともと俺ン家は破綻してたんだ、恭子さんがいなくたって終わってたさ。ごめんな、俺の逆恨みで千瑛を苦しめて」  人目も憚らず千瑛を胸に閉じ込めると、濡れた頬に口づけ愛を注ぎ懺悔する。その言葉で胸に突き刺さっていた(くさび)が抜けた千瑛、すがる目を向け本心をぶつける。 「好き……拓海、大好きっ」  ぎゅっと抱きつかれる拓海、潤む瞳に必死と想いを向ける千瑛が愛おしくてたまらない。 「くそっ、可愛いかよ!」  温もりを分かち合うふたり。アパートに戻れば親たちとの話し合いが待っているが、けれど今はゼロ距離のままでいたい。  いつの日か、四人家族として笑い合える青空の未来を胸に抱いて、千瑛と拓海の想いは今ひとつに重なった──────  了
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