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彼女のことを洗いざらい話すと、妻は呆れたようにため息を吐いた。
「飲んで帰ってくるのが増えたから、怪しいと思ってたら……。あなたって、昔っからそうよね。ちょっと女の子に頼られるとすぐに調子にのって! ひとみが生まれたときだって……」
「悪かった、悪かったよ……ごめん」
私は肩をすぼませた。
「で、でも別に変なことはしてないし……」
「だとしてもいい気しないわよ。少し軽率じゃないかしら?」
「……ごめん」
妻はもう一度ため息を吐いた。
「今日遅かったのもそういうことなの?」
「いや、今日は仕事だよ! 本当だ」
「そう。いいわ。でも、もうふたりで食事、とかは止めて。そんな時間があるのなら、早く帰ってきて、ひとみともっと一緒にいてあげてちょうだい」
この言葉は効いた。確かにそうだ。私はもう一度謝った。
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