リアムという青年3

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一人の部屋で、首を窓へと向ける。 今日は快晴。 光が差すガラスの向こうで、小鳥が高らかにさえずっている。 おそらく彼らは、目的がどうとか、権利がどうとか考えて歌っているわけではない。 自らが、歌いたいから歌っているのだ。 だからこそ、その声は俺のようなささくれた内にも沁みるのだ。 俺の、やりたいこと。 したいこと。 それを思ったときに、瞬間、姫の笑顔が頭を過ぎった。 どんな困難な状況下でも、彼女は真っ直ぐ、立ち向かっていた。 そんな彼女を支えたい、力になりたいというこの気持ちは、果たして、どこから湧いていたのだろう? 最初は、哀れみからだった。 それが変化し、義務となった。 依存、という言葉を勇者は使っていた。 現時点では、おそらくそうだろう。 ではもし、姫の代わりの、別の何かで毎日を満たせるのだとしたら、俺は彼女への執着を捨てることができるのだろうか。 それでももし、この気持ちが揺るがなければ、依存や執着とは違う、もっと別の感情を、俺は姫に対して抱いている、ということになるのだろうか。 今の段階では、わからない。 しかし俺は、自身の心に潜り、本音を引き上げ真正面から向き合うべきだ。 そして認識すべきだ。この思いが何であるのか。 そうでないと、前へは進めない。 ……そのためにはやはり一度、距離を置く必要があるのか。 そこまで考えが巡った時、一筋の涙が、知らぬ間に頬をつたっていた。 そうか。 別れの時なのだ。 姫との、そして今までの俺との、決別の時。
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