クロードという男

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「わかってるわね、ハンナ!絶対戻って来んのよ!勇者を魔王に突き出して、世界を救ってやろうじゃないの!!」 馬車に乗り込んだ私達に拳を掲げるミーアさん。 「うん、頑張ろう!!」 私も窓から身を乗り出し、拳を付き出す。 っていうか、ミーアさん、私のことをハンナって呼んでくれた! 馬車が動き出す。 ずっと手を振るミーアさんが、徐々に小さくなっていく。 見えなくなったところで、私は窓を閉め、前のリアムに向き合った。 「ミーアさんって、結構いい人だったね」 「どこがですか?振り回された私の身にもなってください」 ま、そりゃそーか。 あ、そういえば私、リアムに昨日のこと謝るの忘れてた。 心の傷を癒やす、みたいなこと。 かと言って、なんか今更、改めてってのも照れくさいな。 ま、いーか。 こうして私達は、サンナイトの街を後にした。
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